東北復興応援!ことづてプロジェクト

HAJ 北海道アルバイト情報社の復興応援プロジェクト

HOME > 小冊子 ことづて > Vol.06 陸前高田 > [ 出会った人たち ] 素泊まりバンガローイン レインボーサライ 冨山勝敏さん

小冊子ことづて vol.06 陸前高田 : 出会った人たち

素泊まりバンガローイン レインボーサライ 冨山勝敏さん

ジャズの心地よい音楽と、コーヒーのいい香りがする店内には
思い思いに時間を過ごすお客様がたくさん。
数年後、本当にそうなっているのかと思うと、少しワクワクしました。


お会いしたのは、高田町の本丸公園入口で
レインボーサライというバンガローイン(簡易宿)を経営する冨山さん。
津波で被災する前は、この場所には「h.イマジンⅡ」というジャズ喫茶がありました。
「ジャズが好きな人同士って、なんかわかるっていうか、波長が合うんだよね。
気の置けないお客さんがたくさん来てくれてたんだけど、津波でお店は流されちゃってね。
震災があった直後から、日本中のたくさんの人がボランティアに来てくれて
物資の面でも精神的にも本当に支援してもらった。
レコードやプレイヤーも全国からたくさん届いたんだよ。
電力がないから、蓄音機を持ってきてくれた人もいた。
本当に感謝してもしきれないよ。
被災したレコード世代はそれを避難所で聞いて、随分元気をもらったんじゃないかな。」
支援してもらったお返しに何かできないかと考えていたときに
冨山さんは支援者のための宿泊場所がないことを知ります。
「当時はボランティアに来た人たちのための宿泊施設がないから
テントや車で寝泊まりしてたわけじゃない?でもそれってあんまり安全だとは思えなくて。
だから、安価で安心して泊まれるバンガローをつくろうと思ったんだ。
貰いっぱなしはよくないじゃない?ちゃんと恩返しはしないとさ。」


建築許可の問題など、数多の困難を乗り越えOPENしたレインボーサライには
国内外からたくさんの利用客が訪れました。
しかし、今年に入って高田町の本丸公園入口の盛土が正式に決まり、年内で立ち退く事に。
「震災から4年。復興が進んだことで、民宿やホテルも営業を再開している。
ボランティアに来た人が宿に困ることも少なくなったし、恩返しという役割は一つ果たせたかなと。
場所も時期もまだ何も決めていないけど、もう一度このまちで「h.イマジン」を開きたいと思ってる。
大好きなジャズを聴きながら、コーヒーと会話をたのしめるっていうのは幸せなことだよね。」
そう語る冨山さんの頭のなかには、ジャズが流れる店内でコーヒーを片手にお客様と楽しそうに笑う
ご自身の姿が見えているんだろうなあ。
気の合う仲間が集まる、地域の方々が集うジャズが流れる居心地の良い空間。
きっとそこにはボランティアとしてはじめてこの地を訪れた方々も集まってくるに違いありません。


2015年6月24日(水)
冨山 勝敏さん


<素泊りバンガローイン レインボーサライ>
岩手県陸前高田市高田町本丸29-2
TEL:0192-47-3755
HP:http://h-imagine.jimdo.com